産地の特徴

日本には約50以上の陶磁器産地があるといわれています。その中で弊社が強いコネクションを持つ産地の特徴を簡単にまとめました。

益子焼(栃木県芳賀郡益子町)
生産しているもの:主に陶器
「民藝」の人間国宝 濱田庄司が創作活動のベースとした産地です。民藝の考え方は海外でもよく知られ、海外の陶芸ファンが知っている日本の産地としてはダントツの知名度を誇っています。

美濃焼(岐阜県多治見市・土岐市)
生産しているもの:陶器・磁器両方
陶器・磁器ともに生産している産地で、とっくりやすり鉢など特定の商品だけを大量生産する「産業系窯元」も多くあり、日本一の陶磁器生産量を誇ります。陶器に使う釉薬(特に織部・志野)が海外でも有名です。

常滑焼(愛知県常滑市)
生産しているもの:主に陶器
人間国宝も輩出した「急須」で有名な産地です。毎年夏に開催する「とこなめ国際やきものホームステイ」は海外の陶芸関係者の間でも有名です。

瀬戸焼(愛知県瀬戸市)
生産しているもの:陶器・磁器両方
「瀬戸物」で知られるいわずと知れた陶磁器の大産地です。赤津焼と呼ばれる陶器の生産も盛んで、地理的にも近い美濃焼と同じく、織部や志野といった釉薬が有名です。

京焼・清水焼(京都府京都市)
生産しているもの:陶器・磁器両方
京都らしい優雅できらびやかな色絵が特徴です。世界的な観光地である京都を産地とするため、交通インフラや宿泊施設が整備されているのは他の産地にない大きな強みです。

信楽焼(滋賀県甲賀市)
生産しているもの:主に陶器
釉薬を使わず、土の風合いを生かした「焼き締め」が特徴です。「陶芸の森」が実施しているアーティスト・イン・レジデンス事業により、海外の陶芸家にもよく知られている産地です。

越前焼(福井県丹生郡越前町)
生産しているもの:主に陶器
釉薬をつかわない「焼き締め」を特徴としています。越前焼はもちろん、越前和紙・越前打刃物・越前指物など陶芸以外の伝統産業体験とセットにした旅程を提案できるのも魅力です。

九谷焼(石川県能美市・加賀市周辺)
生産しているもの:主に磁器
九谷五彩と呼ばれる色鮮やかな色絵磁器で有名な産地です。箔づくりの盛んな金沢に近いためか、銀箔や金箔を装飾に用いる技法も特徴で、人間国宝も輩出しています。

丹波焼(兵庫県篠山市)
生産しているもの:主に陶器
釉薬をつかわない「焼き締め」で有名な産地です。普段はなかなか入りづらい伝統的な窯元の工房を訪問・見学するプログラムは外国人客にも人気です。

備前焼(岡山県備前市)
生産しているもの:主に陶器
釉薬を使わずに高温で焼成する「焼き締め」を特徴とし、金重陶陽をはじめ5名の人間国宝を排出する伝統的産地です。その技術を学びに、海外から弟子入りする陶芸家もいるほどです。

萩焼(山口県萩市)
生産しているもの:主に陶器
「一楽、二萩、三唐津」という言葉があるほどの、茶陶で有名な産地です。最近では茶陶にこだわらず、オブジェなどのアーティスティックな作品を作る陶芸家も多く、海外のコレクターからも注目されています。

有田焼(佐賀県西松浦郡有田町)
生産しているもの:主に磁器
磁器の大産地で、古伊万里、柿右衛門、鍋島の3つの代表的な様式が有名です。白く澄んだ磁肌と華やかな色絵が海外でも高い評価を得ています。